どうもみなさん。
今回は、よく比較されるエネルギー管理士(通称:エネ管)の電気分野と第三種電気主任技術者(通称:電験三種)はどちらが難しいのかということの真相について書いていきたいと思います。
インターネットなどの情報では、エネルギー管理士(電気分野)は電験2.5種と言われる事もあるようです。本当なのでしょうか。実体験をもとにこれからそれらを紐解いていきましょう。この記事はエネルギー管理士の電気分野の試験について書いていきます。
エネルギー管理士を目指している人はぜひこの記事を参考に頑張っていきましょう。
こんな悩みが解決できるかも
・電験三種を勉強中だがエネルギー管理士も受験するか迷っている
・電験三種とエネルギー管理士の難易度の差がどの程度か知りたい
勉強のルールと実際の勉強時間
初めに、エネルギー管理士試験に合格するまでにかかった勉強時間などについて書き残しておきます。
勉強のルール
1,基本は隙間時間(通勤等)
2,最低毎日1時間(週7時間)
3,たまに2時間程度の日を作る
社会人らしく隙間時間を活用します。具体的には1日1時間、1週間に7時間は勉強すると決めておきます。分かりやすくノートなどにまとめる時間として、ときどき2時間程度机上で勉強できる時間を確保します。とにかく1日1時間を目標に続けると無理なく習慣化してきますのでおススメです。
合格するまでにかかった時間
実際に合格するまでにかかった時間を載せておきます。
総勉強時間:38時間程度
1日平均:1.26時間(1時間15分程度)
勉強期間:30日
続けてみると1日平均1時間15分程度の勉強時間でした。勉強時間の内訳も下に載せておきます。
① 隙間時間:30日×1時間=30時間
② 仕事終わり:2時間×4日=8時間
③ 隙間時間プラスα:0 時間
今回は③の隙間時間プラスαはなくても大丈夫でした。
・1ヵ月の勉強期間で合格した
・毎日続けてみることがコツ
・ノート等にまとめる時間は必要
エネルギー管理士試験合格への道のり
私の場合、エネルギー管理士(電気分野)を2回受験しています。
1回目
第三種電気主任技術者試験(電験三種)と同じ年に受験
結果
→第三種電気主任技術者試験は4科目とも1発で合格
→エネルギー管理士は3科目合格。「エネルギー総合管理及び法規」不合格
第三種電気主任技術者試験に全力を注いでおり、諸先輩方から「電験三種が取れるならエネ管も取れる」と後押しをもらったことで高を括ってしまい、エネルギー管理士の勉強は全くしていませんでした。
結果、電験三種には合格しましたがエネルギー管理士は合格できませんでした。そりゃそうです。そもそも法律が違うのに法規の勉強していないんですから。電験三種の勉強で頭がいっぱいでエネルギー管理士の勉強に手をつけられなかったというのが本音です。しかしエネルギー管理士の勉強をしなくても3科目合格することができています。
2回目
エネルギー管理士の「エネルギー総合管理及び法規」のみ受験
結果
→無事合格
ここまできたので残りの1科目に時間をかけて勉強していきます。1ヶ月程度の勉強期間でしたが十分合格ラインに乗れる程度にまでは仕上がりました。結果無事合格しています。
・「電験三種が取れるならエネ管も取れる」はあながち間違いではない
・電験三種と範囲がかなり被っている
エネルギー管理士試験の出題方法と内容
出題方法
・大問1問に対して小問が数問の構成
・虫食い形式で誘導
この試験の最大の特徴は、大問1問に対して誘導形式で数問ぶら下がって出題される事です。また虫食い形式である事もこの試験の特徴になります。
出題者が最後に何を求めさせたいのか小問1問目からその意図を読み取れれば大問まるごとゲットできるチャンスになります。逆に全く分からない場合は誘導に乗れるかが勝負で、誘導に乗れなくなった時点でその先の点を失う格好になります。誘導に乗れなくなった場合はとりあえず勘でマークシートに答えを書いておきましょう。
法規に関しては知っているか知らないかの勝負になりますので暗記勝負のみなので他の科目に比べ楽に取り組めるかなと思います。
部分点がありますので得点はしやすい出題方法ではないかと思います。
出題内容
・シンプルに真っすぐ設問されている
・参考書の中心的内容の問題が多い
この試験の場合非常にシンプルに真っすぐ設問されている印象です。参考書の隅っこに書いてある様な見落としやすい内容ではなく、参考書の中心に堂々と書いてある押さえておかなければならない問題から出てきます。
ですので、参考書を隅々まで理解していなくともある程度誘導に乗れるくらいの勉強ができていれば得点は取りやすい内容になっています。
エネルギー管理士は難しいと言われていますが、これは電気的な難易度というよりも、数学的な難易度が高めであることが原因と考えています。
また、電験三種の内容とほとんど丸被りしています。エネルギー管理士の方が、若干制御の分野から多く出題される傾向にあります。
エネルギー管理士と電験三種はどちらが難しいの?
どちらが難しいか
この問いに関しては、私は2つの回答をしたいと思います。
大学時代等に電気を勉強してきた人
→圧倒的に電験三種の方が難しい。エネルギー管理士をあえて位置づけするなら電験3.5種といったところ
上記以外の人
→圧倒的にエネルギー管理士の方が難しい。エネルギー管理士をあえて位置づけするなら電験2.5種といったところ
両者の違い
エネルギー管理士
電気的難易度
小問1つ1つがそれぞれ公式1つ使うと解答できる様なシンプルな形で出題されているので電気の知識的な難易度は電験三種に比べ高くない
数学的難易度
大学で教わる様な内容も出る事があるため、電験三種に比べ難易度が高い。
電験三種
電気的難易度
練りに練られた問題が多く、付け焼刃だと見事に化けの皮を剝がされる問題が多い。私の周りでは「重箱の隅をつつく問題」と揶揄されているが、しっかり理解していることを求められるため、エネルギー管理士に比べ難易度は高い
数学的難易度
高校卒業程度と言われており、実際に計算についてはそこまで難度の高い問題はありません。ですので、エネルギー管理士に比べ難易度は高くない
出題形式の違いで考えた場合、エネルギー管理士の方が部分点として得点しやすいので合格しやすいと思います。
資格の価値
出番の少ないエネルギー管理士
この資格は大企業や大規模工場、その他エネルギー使用量の多い施設等でなければ選任がありません。基本はエネルギー管理員という講習修了者の選任で十分対応可能となります。私の感覚でも、大部分の施設はエネルギー管理士が必要となりません。
エネルギー管理士が必要な場合には、後述しますが、講習受講でもエネルギー管理士の免状が手に入るため、エネルギー管理士を持っているからと言って就職に有利になるということはあまりありません。
なぜ、エネルギー管理士を取得するのか
選任が必要な事業所かどうかに関わらず、近年は、多くの施設で、省エネに対しての意識が高くなっています。選任のない施設でも、毎月のエネルギー使用量を報告させていたり、エネルギー使用量の削減方法を考えていたりします。
これは、企業のさまざまな取り組みの中で、CSR(企業の社会的責任)やISO14001(環境マネジメントシステム)といった省エネへの取り組みが、企業ブランディングに欠かせなくなってきているからです。
つまり、企業はエネルギー管理士の選任の有無にかかわらず省エネへの取り組みを余儀なくされているのです。
省エネに対して専門的知識を持つ者として、実際に省エネに取り組んでいくことで、評価に直結してきます。この資格は、就職するためというより、勤めている会社での企業貢献度をアピールする際に役に立つ資格だと思うので、ぜひこの資格を取得することをおすすめします。
ちょっとのコラム
講習受講でもらえるエネルギー管理士
エネルギー管理研修を修了することでもエネルギー管理士の免状が取得できます。
講習期間は7日間、金額は7万円程度になります。実務経験が3年あれば受講可能です。噂では修了試験が難しいとは聞いていますが、講習受講で免状を取得する道もあるということだけ覚えておいて下さい。絶対に必要な場合や会社命令で必要になった場合等は講習も選択肢になってくると思います。
独学でエネルギー管理士を狙うなら熱分野を狙うべき
今回は、エネルギー管理士の電気分野を紹介しましたが、熱分野もあります。エネルギー管理士の免状には分野の区分はありませんので、好きな方で受験しても同じ免状になります。電気分野より熱分野の方が暗記が多く、初学者には熱分野の方が取得しやすいと言われています。電気の勉強をしたことがなくこれから独学でエネルギー管理士にチャレンジする人は熱分野をおすすめします。
実務経験が必要
この資格は、講習受講でも試験合格でも免状にするには実務経験が必要です。結局はすでに会社で省エネ活動に取り組んでいる人が取得する資格とも言えます。
エネルギー管理士は電験3種と同じ年に試験を受けることをおすすめします。こんな勉強の仕方があるんです。みなさんにとって少しでも参考になれば幸いです。
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