どうもみなさん
あなたはどのように歩み、どれだけの知識をつけ、そしてどのように上を目指していますか?
・会社での自分の立ち位置が分からない
・どうキャリアを描けば良いか分からない
自分はこれからどうなるのだろうか。中途でも新卒でも入社したての人は特に気になりますよね。
そこで今回は一般的なビル管理でのキャリアアップの仕方を紹介するとともに、わたしなりのキャリアアップの考え方も紹介します。あなたの立ち位置とこれから歩む事ができる道、そして目指すべきゴールを考えるきっかけになればと思います。こんな考え方もあるんだと楽しんでもらえれば幸いです。
こんな人におすすめ
入社したての人(中途・新卒)
自分のキャリアが分からない人
自分の今後が不安な人
ビル管理業界のキャリアマップ
厚生労働省のキャリアマップ
厚生労働省が作成して公表しているビルメンテナンスのキャリアマップなるものが存在します。実はこんな資料もあるんです。ご存知ない人も多いと思います。下に載せておきます。
※引用:厚生労働省 職業能力評価基準について(ビルメンテナンスキャリアマップ)
キャリアマップを読み解く
このマップは分かりやすく言うと「この体系でキャリア構成を考えてはどうでしょうか」というマップです。ビルメンテナンス業界ではこのマップをアレンジして自社に合わせて構成しなおしているところもあると思います。このキャリアマップの他に能力評価シートなど評価を行うためのシートも用意されていたりします。ビルメンテナンス業に関係する労働者でも使用者でもこのマップを基準に考えることができます。
・現場系と本社系に分かれている
・目安年数が書かれている
現場系と本社系に分かれている
現場系と本社系に分かれており、現場系から本社系の横移動が無い分キャリアとしては本社入社(一般に新卒など)の人の方が短い期間で役職まで到達する構成です。
目安年数が書かれている
ご丁寧に目安年数まで書いてあります。現場系も本社系も上級作業員まで6年はかかる見込みです。この6年が長く感じるか短く感じるかは人によると思いますが、少なくともやはり管理職になりたければ長い年月がかかるというのは間違いありません。
キャリアマップの概念
わたしの考える概念
あなたがなりたいキャリアを考えるときには、この厚生労働省のキャリアマップの前にもっと大きな視点であなたのキャリアを考える必要があります。まずは下の図を見て頂ければと思います。
このキャリアマップは厚生労働省のキャリアマップをもっと抽象的に表したものです。通常はより詳細に表現するべきかとは思いますが、自分が何者であるのかを考えるに当たってはもっと抽象的な方が分かりやすいと思い抽象化しました。
図で用いた用語についてご存じない人のためにまずはそれぞれの用語を見てみましょう。これら4つの概念で考えていきます。
※この図の中では現場作業員や物件担当者などの立場は一例です。他にもいろいろな立場があると思いますが当てはめて考えてみてください。
スペシャリストとは
特定分野を専門にする人 ※引用:デジタル大辞泉
例えば現場の清掃員、設備員や警備員のことを指しています。厚生労働省のキャリアマップでは初級・中級作業員にあたる人と解釈しています。
<プロフェッショナル>
似た言葉に「プロフェッショナル」という言葉があります。
プロフェッショナル:専門家、本職 ※引用:デジタル大辞泉
似ているのですが、このあとのゼネラリストと対比させるためスペシャリストのみで表現しています。
ゼネラリストとは
いろいろな分野の知識や能力をもっている人 ※引用:デジタル大辞泉
例えば物件担当者などの清掃、設備、警備、環境衛生などの広い分野の対応をおこなう人のことを指しています。厚生労働省のキャリアマップではスタッフやシニアスタッフにあたる人のことと解釈しています。
エキスパートとは
ある分野に経験を積んで、高度の技術をもっている人。熟練者 ※引用:デジタル大辞泉
例えば現場の責任者(所長)などのことを指しています。スペシャリストとして経験を積んだ専門家のことを言います。厚生労働省のキャリアマップでは上級作業員のことと解釈しています。
・経験を積まないとエキスパートとは言わない
エグゼクティブとは
企業の上級管理職 ※引用:デジタル大辞泉
起業した人であればいきなりエグゼクティブということになりますが、一般の会社員であれば段階を得て管理職や役員になると思います。この管理職や役員のことをエグゼクティブと言います。厚生労働省のキャリアマップでは課長や部長のことと解釈しています。
キャリアマップの見方
目的地
・何かに特化するエキスパート
・とにかく広くのエグゼクティブ
あなたが目指す最終目的地は上の2つのエキスパートとエグゼクティブです。
何かに特化するエキスパート
同じビルメンであっても電気や消防などの設備ごとの専門家や、安全、省エネ、物件ごとの専門家など、専門家と言ってもその専門性は多岐に渡ります。共通しているのはどれか1つを極めている人であるということです。この人たちも会社にとっては非常に大事で個人として考えても非常に強力な強みになります。時にはそこを起点に収益の柱になっていったりもします。
とにかく広くのエグゼクティブ
部長や取締役となると個人の得意な分野のみならず、人・モノ・金をはじめ自分の所属する部内・部外のことも知らなければなりません。また、エグゼクティブに求められるのは自分の専門に無いことも幅広く追い続け自分たちに転化して利益を上げることです。何かに特化する訳ではないが広くアンテナを張り流行や新技術を上手に汲んでいく必要があるポジションになります。
スタートの位置
スタートの割り振りとしては中途採用も新卒採用も基本的にはスペシャリストかゼネラリストの2つのどちらかになります。どちらのルートも出世については現時点ではあまり考えなくて良いと思います。
割り振り
→作業員として配属されてスペシャリスト
→物件担当として配属されてゼネラリスト
作業員として配属されてスペシャリスト
現場などに配属されてその現場の実務を行うケースになります。例えば設備員であれば現場の設備員の仕事を覚えることから始まります。1つの仕事を深く学んでいくことから始まることになります。
中途採用者などは基本的にこのスペシャリストのポジションを期待されて配属になるケースが多いかと思います。
物件担当として配属されてゼネラリスト
本社などに配属されて物件担当者などを行うケースになります。物件担当者は多岐に渡る業務の対応が必要になるので、物件担当者になった時点でゼネラリストと呼んで良いと考えています。この場合、
→担当する物件が複数になる
→1つの物件の全て(清掃、設備、警備など)の対応を行う
→上記2つの両方
のどれかになります。いずれにしても同時進行的に内容の異なる案件が動くことになります。広く浅くいろいろなことを学んでいくことから始まることになります。
目指すルートは
基本的には
ゼネラリスト→エグゼクティブ
スペシャリスト→エキスパート
になります。ただし入社最初の5年程度はゼネラリストやスペシャリストは適性や本人の意向などを見ながら決めていくことになります。将来的に何になりたいかは入社当初にまずは考えておきましょう。
またエキスパートも突き抜けるとエグゼクティブになっていきます。エキスパートの内容によっては会社の利益に直結しますのでこういった場合にはエグゼクティブ(経営側)へ参加していく状況になってくるでしょう。
また逆に技術はあるが収益化できていないなどの場合にはエグゼクティブがエキスパートの立ち位置に入りビジネスとして成長させていくこともあります。
ビル管理ではゼネラリストが出世する
評価制度の違いで見る
ゼネラリストとスペシャリスト、エグゼクティブやエキスパートはそもそも評価の違いがあります。主軸が事柄での評価か、おカネでの評価かの違いになります。
スペシャリスト
→売上や利益などではなく「●●ができるようになった」「●●の資格を取った」などのような何かができるようになったという評価制度が多い
エキスパート
→「●●を●件対応した」などチームなどでの実績が評価基準になることが多い。
ゼネラリスト
→物件担当者などは「今年は●●円利益を上げた」「●●の原価を●%下げた」などおカネに関することが評価基準になることが多い
エグゼクティブ
→部内での全体的な売上・利益・人事などが評価になることが多い
出世しやすい理由
スペシャリストやエキスパートは単体で利益を上げていればもちろん出世していきます。しかし基本的には何かに取り組んだことが評価になると思います。一方のゼネラリストやエグゼクティブは営業的要素が強くおカネにまつわることが評価になります。この違いから常におカネを考えているゼネラリストの方が出世しやすいと言えるでしょう。
これらを踏まえて
以下のケースに分けて目指すべきキャリアを考えてはいかがでしょうか。定期的に上長などと面談することがあると思うので、そこで自分の意向をはっきりと伝えておきましょう。そうすることで意に反する処遇などは少なくなると思います。
新卒で出世したい人
ゼネラリスト→エグゼクティブ
新卒でゆっくり成長したい人
スペシャリスト→ゼネラリスト
中途で出世したい人
スペシャリスト→ゼネラリスト→エグゼクティブ
中途で現状のままが良い人
スペシャリスト