普段皆さんも利用している建物。その建物の法律である、建築物における衛生的環境の確保に関する法律が改正されました。2022年4月1日より施行されていますが、官報などは読むのが難しいです。
内容について簡潔に分かりやすくまとめておきます。
こんな人におすすめ
・ビル管法の改正内容に興味がある方
・ビル管理士の試験勉強している方
建築物環境衛生管理技術者
※特にビル管理士の試験勉強をしている方は、2022年度はほぼ確実に出題されると思って良いでしょう。
改正のポイント
・衛生管理基準が変更
・管理技術者の選任要件の緩和
実際に上記ポイントで何が変わったのかを見ていきましょう。
環境衛生管理基準の変更
空気環境測定の測定事項の基準が見直されています。変更点のみ書いてます。
項目 | 変更前 | 変更後 |
---|---|---|
一酸化炭素 | 10ppm以下 | 6ppm以下 |
温度 | 17℃~28℃ | 18℃~28℃ |
一酸化炭素
基準が10ppmから6ppmへと変更され厳しくなりました。
また、カッコ書きにあった大気中濃度が高い場合の20ppm以下という特例基準も撤廃されています。
全て6ppm以下になりました。
※一酸化炭素は不完全燃焼等によって発生する有毒ガスになります。
温度
最低気温が17℃から18℃へ1℃上がります。
管理技術者の選任要件の緩和
試験を受ける人は正しい条文を読んで把握した方が良いですが、ここでは分かりやすく変更点を書いておきます。
変更の条文は後述しています。
変更前 | 原則兼任不可 |
---|---|
変更後 | 兼任を認める |
・兼任を認めるけど帳簿書類を揃える事
・維持管理権限者に意見を聴取し別の書類に残すこと
兼任を認める代わりに帳簿書類にこの兼任の確認の結果を記載した書面が追加されました。兼任の確認の結果を記載した書面の内容については以下です。
帳簿に記載しなければならない項目
(1)所有者等の氏名
(2)書面を作成した年月日
(3)管理技術者の氏名、住所及び免状番号
(4)選任される建物の名称、所在場所、選任される年月日
(5)選任される建物ごとの管理技術者として従事する時間(建物までの移動時間含む。)
(※ 当該時間は、それぞれの建物の用途、構造設備、延べ面積、建築物衛生管理に関するICT等の導入状況等を勘案して妥当であるかを判断すること。)
(6)管理技術者以外の業務に従事する時間
(7)特定建築物所有者等以外に維持管理権原者がある場合は、当該維持管理権原者の 氏名及び意見を聴取した年月日
(※維持管理権原者の意見は本書面とは別に作成し、必ず本書面と一緒に保存するこ と。)
改正された条文について
参照した条文
「建築物における衛生的環境の確保の法律」は長いので以下「法」とします。
また、施行規則等はこの法の施行規則等とします。変更点のみ記載します。
官報公示(令和3年12月24日)
厚生労働省令第百九十九号
施行:令和4年4月1日から
法の変更部分
・施行令第2条
→建築物環境衛生管理基準
一酸化炭素、温度
・施行規則第2条
→空気環境の測定方法
一酸化炭素かっこ書き→削除
・施行規則第5条2項~4項
→建築物環境衛生管理技術者の選任
・施行規則第20条
→帳簿書類
法的に兼任は認められましたが何棟までの兼任が許容できるかは探っていく形になるでしょう。資格の価値がどの様に変わっていくのかは今後の様子を見ていきたいと思います。みなさんもぜひ覚えておきましょう。
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