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エアコンの仕組み。どうやって温度を調整しているのか。

 

どうもみなさん。

 

みなさんが日常的に使っているエアコン。エアコンの機能の1つとして部屋の換気が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。

そりゃそうですよね。だってどこからともなく風が出てますもんね。今回は、エアコンは換気ができるのかということと、エアコンから温度調整された空気が出る仕組みについて書いていきます。

もちろんビル管理とも深く関係しています。この仕組みを知ることで実際の業務にも生かすことができます。ぜひエアコンについて勉強していきましょう。難しすぎず簡単すぎず書いていきたいと思います。

 

こんな人におすすめ

・エアコンが換気できるか気になる人 

・ビル管理の新人さん

・エアコンの構造を知りたい人

 

 

 

室内機と室外機の仕組み

いきなり換気について核心をついていきますが、まずはエアコンの空気の流れについて絵を載せておきます。

換気はできるのか?

エアコンは上の絵のように、室内の空気を冷やしたり暖めたりします。つまり、冷やすのも暖めるのもその部屋の中にある空気を使っています。部屋の中で空気を循環しているだけなんです。ですので、一般家庭にあるルームエアコンでは換気はできません。換気をするためには窓を開けたり、レンジフードや24時間換気扇を動かす他にありません。

エアコンは別名空調機と言われます。空気を調整する機械ということです。換気はできませんが、室内を、狙っている温度にすることはできます。

どのように冷たい空気や暖めた空気を作りだしているのでしょうか。ここからはその仕組みを見ていきましょう。

※換気について知りたい人はここまでになります。

※ここから先は少しずつ内容が難しくなりますので、もしよければこちらもご覧ください。換気風量について書いています。これも専門的に学んでいきたい人の導入のような内容になります。

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室内機の役割

エアコンの室内機には主に2つの役割があります。

ポイント!

・風を作る

・空気を冷やしたり暖めたりする

風を作る

室内機には風を作る装置があります。この部分をファンと言います。形は違いますが役割としては扇風機と同じだと思ってもらって良いです。扇風機もスイッチを入れると風が出てきますよね。これと同じ原理です。この扇風機が室内機の中にあり、風を起こしています。

空気を冷やしたり暖めたりする

エアコンから出る空気は冷えていたり暖かかったりしますよね。このように室内で求めている温度の空気を作ることもエアコンの大事な役割です。この冷たい空気や暖かい空気をどの様に作っているのか。それが最初の絵のガスの流れの部分になります。

冷たい空気の作り方

冷房運転を例に説明していきます。暖房運転の場合は流れが逆になります。最初の絵のガスの流れの部分で空気を冷やす素を作っています。この冷やす素を(冷媒)ガスと言います。

このガスを使って部屋の中の空気から熱を奪って冷やします。イメージとしては下のような感じです。

冷やされた空気はファンによって部屋の中へ送り出されます。送り出された空気の量と同じ量の空気がまたエアコンの中に入ってきて冷やされます。そしてまた部屋の中へ送り出されます。エアコンはこれを繰り返しています。

ポイント!

・室内の空気は冷媒ガスによって冷やされて室内に送り返されている

・冷やしているのは冷媒ガス

 

 

室外機の役割

では、熱を奪った後の冷媒ガスはどこへ行くのでしょうか。答えは室外機に行きます。室外機では室内機と逆の動きになります。外の空気が熱を持った冷媒ガスから熱を奪い取り、熱を奪う前の冷媒ガスに戻しています。イメージとしては下のような感じです。

室外機も室内機と同じようにファンがついています。冷媒ガスから熱を奪った屋外の空気はこの室外機のファンによって屋外で循環することになります。

ポイント!

・室内機と動きが逆になる

・室外機にもファンがあり屋外で循環している

夏場は外も暑いのになぜ熱を捨てれるのか

夏も真っ盛りのときは屋外の気温が40℃を超えることがあります。こんなに外も暑いのに室外機はどうやって熱を捨てるんだろうか。逆にガスが熱を吸ってしまうのではないか?と思ってしまいそうですね。

実は、今まで説明してきたイメージは、本当にイメージです。このイメージは非常に大事ですが、実際には冷媒ガスの存在の仕方が異なっています。ここからがエアコンの本質の部分の話になってきます。

冷媒ガスの熱交換

顕熱と潜熱

もっと細かい内容になってきますが、熱には2つの種類があります。それは顕熱と潜熱です。何それ?って感じですね。まず下の図を見て下さい。これは水の状態変化とそれに伴う熱エネルギーの変化の概要です。この図で顕熱と潜熱を説明していきます。

顕熱

氷、水、(水)蒸気といった物質の状態を変えずに、温度を変化させるために費やされる熱量のことです。20℃の水を80℃まで上げるときには、水のまま状態は変わりませんが温度は上がります。この20℃から80℃へ上げる時に必要な熱量を顕熱といいます。上の図の青い部分になります。

潜熱

温度の変化を伴わずに物質の状態そのものが変わるときに、吸収または放出される熱量のことです。温度が100℃のままなのに水が水蒸気に変わる状態変化が起こります。この時の水から水蒸気へ変わるために必要な熱のことを潜熱といいます。これは気化熱とも呼ばれています。上の図の赤い部分になります。同様に0℃のときの氷から水に状態が変化するときも同じ様に潜熱が必要になります。

冷媒ガスで使われる熱は

冷媒ガス(主にフロンガス)で熱の交換を行うときはこの潜熱を使用します。顕熱に比べ多くの熱交換ができるので効率が良くなります。

 

 

実際の熱交換

冷媒の循環の流れ

では実際にどのように熱交換を行っているのかを見ていきましょう。まずは室内機と室外機の間を冷媒ガスがどのような状態で循環しているのでしょうか。

室内機に入ってくる冷媒ガスは液体です。そして室内の空気から熱(潜熱)を奪って気体に変わります。気体に変わった冷媒ガスは室外機へ戻っていき、そこで気体から液体に戻されるのです。

液体や気体の冷媒ガスの状態

上で説明した液体や気体はみなさんが思っている液体や気体の冷媒ガスと少し違います。実は液体の方が温度が高いんです。下の図はルームエアコンですが、このルームエアコンの場合は、液体が常温(に近い)・低圧、気体が低温・低圧です。

家庭用の場合は業務用と比べてそんなに能力がいらないので温度や圧力差が少ない設計になっていますので分かり難くなりますが、業務用も家庭用エアコンも共通しているのは液体の方が気体に比べて温度が高いということです。

ポイント!

・液体の配管の方が基本的に圧力・温度が高い

・気体の方が基本的に圧力・温度が低い

冷媒ガスの液体と気体の作られかた

冷媒ガスが室内機と室外機の間の配管内を一周するまでにどのように変化するのかを見てきましたが、こんどは、どうやってその液体や気体を作っているのかを見ていきましょう。下の図は、室外機の中身と室内機の中身を表したものです。

構成装置

室外機の冷媒ガスを制御するための構成は、圧縮機・凝縮器・膨張弁の3つで構成されています。(簡単のためにサーミスタや制御基板などは省略しています)

室内機は蒸発器と言われる装置で構成されています。

ポイント!

・室外機:圧縮機、凝縮器、膨張弁

・室内機:蒸発器

圧縮機

室内機から戻ってきたガスは低温・低圧のガスです。圧縮機は、その名のごとくそのガスを圧縮する場所です。圧縮されたガスは高温・高圧状態のガスになります。次の凝縮器でガスが持っている熱を空気により多く取ってもらうために圧縮して温度を上げます。

凝縮器

凝縮器と言う名前が難しそうに見えてしまいますが、難しく考えなくて良いです。気体を液体にする場所と覚えて下さい。圧縮された高温・高圧のガスは凝縮器で冷やされてガスから液体になります。ここではまだ高圧でガスの熱は空気に取ってもらうので温度が低くなります。夏場に室外機から温風が出るのは空気がガスの熱を凝縮器で上手に奪っているからです。ここでは「顕熱と潜熱」で説明したグラフの気体から液体になるときに放出される潜熱を利用してガスの熱を捨てています。

 

 

膨張弁

液になった冷媒ガスはまだ高圧ですが、膨張することで低圧にします。膨張弁から出た冷媒液は低温・低圧の状態になります。これは、気化しやすいようにするためです。なので膨張弁はこの位置に設置されます。

蒸発器

蒸発器という名前も難しく見えますがここも難しく考えなくて良いです。液体が気体になる場所と覚えて下さい。低温・低圧の液体は蒸発器で空気から熱を奪い気化してガスになります。「顕熱と潜熱」で説明したグラフの液体から気体になるときに吸収する潜熱を利用して空気の熱を吸収しています。熱を吸収された空気は冷風(冷房の風)になって部屋へ送られます。

 

ちなみに凝縮器や蒸発器は下の写真の様なものになります。ご家庭のエアコンにもこんな部分が室内機と室外機両方にあると思います。写真は室外機の熱交換器(蒸発器・凝縮器)の部分ですが、この中に横向きに冷媒が通る配管が入っています。

冷媒ガスの循環をグラフで表すと

いままで説明した冷媒ガスの循環を冷凍サイクルと言います。また、この冷凍サイクルをグラフで表すこともできます。そのグラフをP-H線図[ピーエイチ センズ]と言います。

下の様なグラフです。横軸が比エンタルピー(冷媒がそのときどきに持っている1kgあたりの熱量)、縦軸が圧力です。

圧縮機

断熱圧縮変化。等エントロピーと言われる曲線に沿って圧力を上昇させる。ここではギュッと圧縮するんだくらいの認識で大丈夫です。圧縮のときに温度も上昇します。

凝縮器

等圧変化。冷媒ガスの熱を放熱する部分で、放熱することで温度が下がるのでその分1kgあたりに所持する熱量も少なくなりますのでグラフ左側へ横移動する感じになります。

膨張弁

断熱膨張変化。圧力の高い液冷媒をキャピラリーチューブなどの減圧装置を通して圧力を減らす(減圧)働きをします。

蒸発器

等圧変化。液体だった冷媒ガスを気体にする部分。気体になるときに吸熱するのでその分1kgあたりに所持する熱量も多くなりますので、グラフ右側へ横移動する感じになります。そして圧縮機へ戻っていきます。

 
ポイント!

・蒸発器で持って帰ってきた熱は圧縮機でギュッと圧縮されて高温・高圧

・凝縮器で熱が捨てられ液体になる。

・熱を捨てた冷媒は膨張弁を通って蒸発器に入り再度気体になる。

冷凍サイクルが進化している

説明してきた冷凍サイクルをベースに現在では多段に組んで冷凍効率を上げていたりと、非常に多くの冷凍機があります。少しでも興味を持っていただけたら幸いです。もっと学んでいきたい人は冷凍機械責任者の資格もおすすめです。ぜひ勉強してみて下さい。

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エアコンでも換気ができるようになるか

最近、換気ができる家庭用のエアコンがダイキン工業さんから発売されたみたいです。シックハウス対策ができる程度の換気量かなという印象ですが、家庭でも自然換気に任せていた空気の取り込み量が手軽に制御可能になってきているように感じます。

シックハウスって何?って人はこちらもご覧ください。

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換気のできるエアコンって何?って人はダイキンさんのページより確認してみて下さい。

www.daikinaircon.com

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