どうもみなさん。
第二種電気工事士(通称:電工2種)は相変わらず人気がありますね。今回は、その第二種電気工事士(通称:電工2種)について書いていきたいと思います。
これから書いていくことは以下になります。
こんな人におすすめ
・これから受験しようと考えている人
・できる限り楽に合格したいと思っている人
電工2種ってどんな試験?
受験資格
誰でも受験できます。
開催頻度
上期と下期の年2回実施されています。
試験内容
筆記試験と技能試験の2回に分けて実施されています。筆記試験合格後、技能試験に合格すれば免状を取得できる様になります。
・筆記試験:50問の択一式マークシート方式
・技能試験:事前に出される13問のうち1問を、工具を使用して製作する試験
技能試験は試験の前にあらかじめ13問程度の問題が公表されます。試験当日は、その13問のうち1問を時間内に製作することになります。
受験者数と合格者数
まず、近年の受験者数と合格者数をみてみましょう。
年度 | 筆記試験 | 技能試験 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
受験者 | 合格者 | 合格率 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | ||
令 和 3 年 度 |
上期 | 86,418 | 52,176 | 60.3% | 64,443 | 47,841 | 74.2% |
下期 | 70,135 | 40,464 | 57.6% | 51,833 | 36,843 | 71.0% | |
計 | 156,553 | 92,640 | 59.1% | 116,276 | 84,684 | 72.8% |
参考:電気技術者試験センター
この合格率は、筆記試験のみ、技能試験のみでそれぞれ出しています。合格率は72.8%となっており、比較的取得しやすい試験になります。
一発合格は正確には出せませんが、その年の技能試験合格者数を筆記試験受験者数で割ると54.0%となります。実際にはこれより低い合格率になりますが、約半数は一発合格できる難易度なので、初回は一発合格を目指しましょう。
免除について
申請により筆記試験が免除になる場合もあります。以下に該当する場合は免除をフル活用していきましょう。大まかな部分のみ記載しておきます。
・前回の筆記試験に合格した人
・電気主任技術者免状を持っている人
・所定の学校で所定の課程を修めて卒業した人
合否の確認方法
いざ試験を受けた後は、合否を待つことになります。合格通知は下の方法によって確認できます。
インターネット
合否の確認は下のリンクで確認できます。ただし、結果が公表される期間が決まっているため、その期間中に確認しましょう。合否結果の案内は試験の時にありますので、その期間になったら覗いてみましょう。
通知ハガキ
インターネットでも確認できますが、インターネットの合否掲載から数日から一週間程度遅れて自宅にハガキでも届きます。合否に関係なく届きますので、確実に知りたい場合はハガキが届くまで待っても良いかもしれません。(わたしは待ちきれずインターネットで見てしまいましたが)
勉強時間(筆記試験)
私が実際に取り組んだ勉強方法を書いておきます。
勉強のルール
1,基本は隙間時間(通勤等)を活用。
2,最低1日1時間は厳守(週7時間厳守)
3,たまには仕事終わりにガッツリ2時間程度の日も作る
基本は1日1時間をベースに勉強しました。たまに時間が取れそうなときは2時間勉強することもありました。
実際にかかった時間
結果(総勉強時間)
総勉強時間:30時間程度
1日平均:1.00時間(1時間程度)
勉強期間:30日
時間内訳
① 隙間時間:30日×1時間=30時間
② 仕事終わり:2時間×0日=0時間
③ 隙間時間プラスα:0 時間程度
※③は、追加で勉強した分です。
結果30時間程度で合格しています。これは私の場合、大学の電気工学科を出ているので基礎がある分合格し易かったことが影響しています。
初学者であっても今回紹介する勉強方法を実践すれば、およそ2ヶ月(60時間程度)の勉強時間があれば合格ラインにゆっくり乗れると思います。
勉強方法(筆記合格のための戦略)
試験の内容を紐解く
この試験の筆記試験は、戦略が非常に重要な試験となります。以下説明していきます。
・全体で正答率60%を超えていれば合格
このポイントがホントに重要です。
まず、試験センターが公表している試験内容を見てみます。
問題数:計50問
1,一般問題:30問
2,配線図問題:20問
出題内容
1,電気に関する基礎理論
2,配電理論及び配線設計
3,電気機器、配線器具並びに電気工事用材料及び工具
4,電気工事の施工方法
5,一般用電気工作物の検査方法
6,配線図
7,一般電気工作物の保安に関する法令
これを実際の過去問と合わせて私なりに分析すると以下の分け方になります。
試験の内容を分析
内容 | 問題数 | 割合 |
---|---|---|
計算問題 | 7問程度 | 14% |
保安管理の方法 | 7問程度 | 14% |
法令やその施工方法 | 16問程度 | 32% |
電材・工具の名称など | 20問程度 | 40% |
計算
計算問題は例年7問程度出題されています。これは全体の14%にあたります。また、最初の問題として出題され受験者の試験時間をしっかり削っていきます。
保安管理の方法
保安管理の方法ですが、これは例えば、始動電流を小さくする方法などの問いがこれにあたります。この工作物の保安管理の方法は例年7問程度出題され、全体の14%にあたります。
法令やその施工方法について
法令や法令に基づく施工方法についての問題がこれにあたります。例年16問程度出題され、全体の32%にあたります。
電材・工具の名称など
電材・工具の名称を答えさせる問題や、電材や工具の使用方法、使用場所について答えさせる問題がこれにあたります。例年20問程度出題され、全体の40%にあたります。
勉強の順番と勉強方法
おすすめの勉強の順番
お気づきの方はもうお分かりだとは思いますが、この試験は計算問題を全く解かなくても合格します。電気の計算が苦手な場合は捨ててしまいましょう。
電材・工具の名称・使用方法・使用場所についてだけで全体の40%程度あります。この部分はひたすら暗記のみの部分です。逆に言うと絶対に落とせません。
出題の仕方は、写真を見て名称を答える、文章のみを読んで使用部材を選ぶ、組み合わせを答えさせるなど問題のバリエーションは多いですし、50問の中でもいろいろなところに散らされて出題されています。しかし、いずれの問題も電材や工具についての知識があれば対処できます。
・計算問題は後回し
・電材・工具の名称・使用方法・使用場所が最優先
1,電材・工具の名称・使用方法・使用場所
2,法令や法令に基づく施工方法
3,保安管理の方法
4,計算問題
1と2をクリアするだけで70%を超えます。2を満点にするのはちょっと難しいかもしれないので3まで押さえてしまえば余裕で合格するでしょう。計算が苦でなければ、計算7問を先に押さえても良いでしょう。
勉強方法
勉強の順番については先ほど書いたとおりです。そして、計算問題を後回しにできるのでこの筆記試験は基本的に暗記の試験になります。
計算は捨て置いて、物・工具について覚えるところから入るとスムーズに勉強が進むと思います。とにかく体系的に整理してまとめていくことと長期記憶への定着が勝負です。参考書などをひたすら暗記し、余裕があれば計算問題に手をつける流れが良いでしょう。
・実際の試験の時も計算問題以外から解いていきましょう。
電気の試験ではありますし、最初の7問が電気の計算問題から入りますので、電気に対して苦手意識がある人は出鼻をくじかれることもあります。試験の時は計算問題以外から解いていきましょう。
勉強時間(技能試験)
私が実際に取り組んだ勉強時間を書いておきます。
勉強のルール
1,家に帰ってから、ひたすら複線図を書く
2,複線図を書ける様になったら、1時間は工具を使って製作する
3,隙間時間(通勤等)は複線図を妄想する
基本は1日1時間をベースに勉強しました。これは筆記試験の時と同じですが、筆記試験と異なるところがあります。技能試験の勉強は、”書く”必要があることです。ですので、基本は家に帰って机上で複線図を書く様にしていました。そして複線図が頭の中で書けるようになってきたら、1時間は実際に工具を使って製作していました。
私が使ったりした工具についてはこちらで紹介していますので、工具から揃える必要がある人はぜひ参考にしてみて下さい。
実際にかかった時間
結果(総勉強時間)
総勉強時間:20時間程度
1日平均:1時間程度
勉強期間:20日程度
時間内訳
①仕事終わり:1時間×20日=20時間
筆記試験の合格通知が届いてからの勉強で問題ないと考えていますが、手先に自信がない人は技能試験の1ヶ月半前くらいから技能試験の対策を始めると良いと思います。
あまり早すぎても候補問題が出ていないので対策ができません。候補問題が出て解説書が手に入ってから落ち着いて製作の練習に入りましょう。
勉強方法
・とにかく複線図が書ける様になる。
・とにかく問題を見たら手が動く様にする。
技能試験では問題を見たらすぐ複線図が頭に浮かぶようになるくらいまで書きましょう。そして頭に浮かんだ複線図を元に手がスッと動くくらいまで製作の練習をしましょう。とにかくこの2点が重要です。というよりこの2点がすべてです。
技能試験の注意点
この技能試験は慣れている人でも時間がそんなに余りません。あらかじめそれぞれの候補問題について、どの様に製作していくのが早いか決めておいた方が良いです。
資格の価値
この電工二種という資格は、簡単に平たく言うと一般のご家庭等で電気工事ができる様になる資格です。この資格を取得することで、電気工事のできる範囲が広くなります。
また、ビルメンテナンス業や電気工事業に勤めている人、もしくはこれから就職する人にとっては、登竜門の資格になります。
ですので、上記の業種等を狙っている方は取得しておいた方が良いです。この資格で培われる知識は大いに価値があります。
電験三種を頑張ってみようと思っている方はこちらもご覧ください。